小説「キネマの神様」を読んだ時は、良い小説に出合ったと思った。
映画「キネマの神様」を観た時は、正直がっかりした。
そして、ノベライズ『キネマの神様 ディレクターズ・カット』を読んでみたら
思いのほか、面白かったので文章にしてみようと思いました。
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こんな感想もあるのかと
読んでもらえると嬉しいです。
映画「キネマの神様」の“読む映画”本
この書籍は説明するまでもありませんが
映画「キネマの神様」をそのまま、文章化したものです。
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映画を観てから読むとわかるのですが
見事に同じで、“読む映画”になっていました。
少し映画の内容をおさらいしておきましよう。
<ストーリー>
“映画の神様”を信じ続ける男の人生と、彼を取り巻く人々との愛や友情、家族の物語を描く。
映画監督を目指し、助監督として撮影現場で働く若き日のゴウは、撮影所近くの食堂の娘・淑子や仲間の映写技師テラシンとともに夢を語らい、青春の日々を駆け抜けていた。
しかし、初監督作「キネマの神様」の撮影初日に転落事故で大きなケガを負い、作品は幻となってしまう。
大きな挫折を味わったゴウは夢を追うことを諦めてしまい、撮影所を辞めて田舎へと帰っていった。
それから約50年。かつて自身が手がけた「キネマの神様」の脚本が出てきたことで、ゴウの中で止まっていた夢が再び動き始める。
引用:映画.com
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主な出演者は
- 円山郷直(ゴウ):沢田研二
- 若き日のゴウ:菅田将暉
- 若き日の淑子:永野芽郁
- 若き日のテラシン:野田洋次郎
- 桂園子:北川景子
- 円山歩:寺島しのぶ
- 寺林新太郎(テラシン):小林稔侍
- 円山淑子:宮本信子
以前にブログも書きました。
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敢えて主なキャストの名前を記したのは
この本を読むと俳優さんの顔が浮かび上がってくるからなんですね。
ノベライズ「キネマの神様」“試しに”読んでみた
私は映画をそのまま小説化する書籍は、あまり読まない。
しかし、原田マハさんのファンなもので
この書籍は自分としては“試しに”読んでみることにしました。
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小説「キネマの神様」は面白かった。
映画「キネマの神様」は期待外れもあった。
自分のなかでは一勝一敗の状態だったので
このノベライズ「キネマの神様」はどうだろうという
気持ちを持ちながらの読書スタートでした。
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映画のシーンが浮かび上がる面白さ
読み始めると面白いのである。
何が面白いのかって、
映画そのままに描かれているんですね。
だから、
出演している俳優さんが浮かび上がってくるんですよ。
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ゴウの沢田研二や、若きゴウの菅田将暉が。(以下敬称略)
若き日の淑子演じる永野芽郁の輝くような笑顔や、
桂園子演じる北川景子の美しさも観えるようなんです。
セリフも同じなので、沢田研二の違和感のある口調や
寺島しのぶの怒っているセリフ、
テラシン演じる小林稔侍のやさしさも滲み出ていました。
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本当に読書で映画を観ているようで
グイグイ読み進められました。
原作のキャラクター像を残しながら、
映像から伝わってくる心理描写を、言葉で埋めていく。
引用:原田マハ公式ウェブサイト
原田マハさんの文章術もうまいんでしょうね。
セリフの書き起こしと、
場面の流れが素直な文章で書かれていて
そのシーンがまざまざと浮かんでくるんですね。
さすが原田マハさんだなと感じました。
ノベライズは映画へのリスペクト
小説を映画化したり
映画を小説化したりすることはよくあると思うんですが
自分の小説を、全く“別ものの映画”にして
“別ものの映画”をまた、自分が小説化するなんて
今までには無かったんじゃないでしょうか。
原田マハさんは、初めて映画の脚本を読んだ時
「山田洋次監督にしか描けない世界」として絶賛したそうです。
そして、その脚本をノベライズしませんかと依頼があった時
「後世に残さなくてはならない」「知ってもらわなくてはいけない」
という思いで引き受けられたそうです。
山田洋次という偉大な映画監督のクリエイションのプロセスを、
みなさんに見ていただきたい。
出典:原田マハ公式ウェブサイト
原田マハさんらしい“他者の創作をリスペクト”する姿勢が
そこには表れているように思いました。
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映画を観てから読むか、読んでから観るか
映画を観てからノベライズを読むか
ノベライズを読んでから映画を観るか
どちらが感動が大きいはわかりませんが
私は、映画を先に観ていて、ノベライズを後に読んで
良かったと思っています。
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映画の評価が自分ではよくなかったのですが
このノベライズを読んで、いい映画だったなと思えましたからね。
さて、皆さんは如何だったでしょうか。
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