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『赤ずきん、旅の途中で死体と出合う』青柳碧人著|童話ミステリのヒント

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はじめに

このミステリ小説は一度通しで読んで、

最初のお話を説明してほしいと言われても、

たぶんもう忘れてしまっていると思います。

というのも、こうして感想なりを書こうと思っても

4話のミステリの登場人物や推理の内容が正確に思い出せないからです。

各章の物語はそれなりに面白かったのですが、

それぞれの創作が豊かすぎて

いざ、表現しようとするとできないので

この本は2度読みし、相関関係や登場人物を整理しながら読むことをお薦めします。

私もそのようにしながら、以下読書の為のヒントを書きました。

参考にしてみてください。

<本の紹介文>

日本の昔話をミステリで読み解き好評を博した『むかしむかしあるところに、死体がありました。』に続き、西洋童話をベースにした連作短編ミステリが誕生しました。

今作の主人公は赤ずきん! ――クッキーとワインを持って旅に出た赤ずきんがその途中で事件に遭遇。「シンデレラ」「ヘンゼルとグレーテル」「眠り姫」「マッチ売りの少女」を下敷きに、小道具を使ったトリック満載! こんなミステリがあったのか、と興奮すること間違いなし。

全編を通して『大きな謎』も隠されていて、わくわく・ドキドキが止まりません!

引用:双葉社

<著者について>

1980年千葉県生まれ。2009年『浜村渚の計算ノート』で第三回講談社birth小説部門を受賞。「ブタカン」「西川麻子」「猫河原家の人びと」などシリーズ多数。19年刊行の『むかしむかしあるところに、死体がありました。』が各ミステリーランキングや書店年間ランキングにランクインし、本屋大賞にもノミネートされた。 –このテキストは、tankobon_softcover版に関連付けられています

4つの物語を読むヒント

この小説は次の独立した4つの物語で構成されていますが、

赤ずきんが「シュペンハーゲンまで、クッキーとワインを届けに行かないといけないの

という目的で旅を続けていくという一貫したストーリーを作っています。

そして、それぞれの各章に伏線があったり、関係性がある文章が出てきて

最後の章でそれらが結びつくという展開になっていますので、

最後までハッとしながら楽しめる作品になっています。

第1章 ガラスの靴の共犯者

最初の章は「シンデレラ」が下敷きになっています。

このお話のシンデレラは犯罪を犯す悪人役になります。

すべての物語に言えることですが

今までの童話内の主人公が悪人になってしまう、

そして、通りすがりの赤ずきんが推理し解決してしまう。

というのが、この童話ミステリの特徴ではありますね。

この物語には、かぼちゃとネズミの馬車も登場しますし、

魔女も2人登場します。

ほとんどが「シンデレラ」に登場する人物なのですが、

犯人がシンデレラなんですね。

そして、童話の「シンデレラ」のガラスの靴の特徴を、

この作品では逆手に取って犯罪の「証拠」にしているんですね。

この小説の面白さは、童話の「見所」部分を使ってしまうところにありますね。

他のミステリではさすがに使えませんものね。

最後に魔女のバーバラがうさぎの足を赤ずきんに手渡したところは

覚えていてね。

「あなたの犯罪計画はどうして杜撰なの?」

赤ずきんの決め台詞もね。

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第2章 甘い密室の崩壊

この章は「ヘンぜルとグレーテル」が登場します。

この物語も倒叙ミステリ(最初に犯人がわかっていて、それを解決していく)になっています。

ヘンゼルとグレーテルが殺人を犯してしまうのですが

そのトリックがすばらしい。

魔法で○○が無くなってたり、○○を溶かしたり、また○○を造ったり

まあ、現実にはできないんですが、このお話ではそれが面白いんですね。

ヘンゼルとグレーテルと言えばお菓子のお家ですね。

そこがヒントです。

オオカミのゲオルグ、テントウムシのエイミーの

名前は覚えておきましょう。

お父さんのゴフさんが失業したのは、どうしてなのか。

事件とは関係ないけど、覚えていてね。

第3章 眠れる森の秘密たち

この章では「眠り姫」が主役になります。

この章は登場人物が一番多いし、

後半は血縁の繋がりが結構複雑になります。

めんどうですが、登場人物をメモしながら

相関関係を整理した方がよく解ると思います。

この物語は殺人事件の冤罪を晴らすと共に

盗難解決のダブル事件ですね。

これまでの童話ミステリとしては、一番現実に近いかもしれません。

しかし、赤ずきんの推理もちょっと弱い気がしましたね。

顔が似ているからという理由で推理の辻褄あわせは如何なものかと。

拓陽
拓陽

伊達男ナップの名前を覚えておきましょう。

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第4章 少女よ、野望のマッチを灯せ

この章は「マッチ売りの少女」がテーマになっています。

ここで言うマッチ売りの少女エレンは

最初こそ、極貧でマッチを売らされる少女でしたが

いきなり幸運にも、マッチ製造会社の社長になり、

経営の手腕を発揮する大社長になっちゃいます。

エレンのマッチは、幻覚作用があり、中毒性があるので、

モノ自体には違法性がるのですが

経営者としては、利益を社会に還元し、

全うな理屈は述べてるなと感じましたね。(余談ですが)

さて、赤ずきんの旅の目的はこのエレンを殺害することにありました。

おばあちゃんもこのマッチで幻覚を覚え中毒になり、

やがて亡くなってしまったからです。

しかし、赤ずきんの計画は見破られ、

牢獄に閉じ込められてしまうのですが

ここからが、童話ミステリならでの仕掛けが出てきます。

マッチ箱のような牢獄、そして魔女の魔法で赤ずきんがいっぱいに。

どのような仕掛けが出てくるのでしょうか。

今までに覚えていてほしかった人物がここで登場するよ。

物語はもっと街の住民を巻き込んでしまう社会問題までなっています。

最後は陛下の兵隊までが事態を押さえることになるのですが

赤ずきんはどのような方法で陛下を動かせたのか。

そして、マッチ売りの少女エレンはどうなってしまうのか。

読んでからのお楽しみですね。

最後に

以前に『むかしむかしあるところに、死体がありました』を読んでいて

大変面白かったので、この本も読んでみたのですが

前回は日本の童話、今回は西洋の童話ということで、

テイストは違うのですが

やはり斬新さということでは、欠けてしまったかなと思います。

しかし、初めて読まれる方は、

今までにはないミステリ小説に出合えると思います。

内容的にはよく練られていますし、

童話ならではのトリックが斬新です。

私と同じように、次もまた読みたいと思うことでしょう。

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追記:映画化予定

今度この作品が

Netflix映画として2023年に世界独占配信予定されるそうです。

こちらも楽しみですね。

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