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NHKBSドラマ『舟を編む ~私、辞書つくります~』感想(小説、映画も)

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テレビ
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24年2月18日 NHKBSで始まった

プレミアムドラマ舟を編む ~私、辞書つくります~』(全10話)

鑑賞しました。

私は、小説も読み、映画も観ていたので

第1話を観て、正直、驚きました。

小説の中では脇役の岸辺みどり池田エライザさん)が主役であること。

しかも、彼女が登場するのは小説の途中(第4章)からなので

その段階からスタートするとは、全くの予想外でした。

ですから、このドラマは「もう一つの“舟を編む”」だなと感じましたね。

 



岸辺みどりスピンアウト主役に驚き

大人気ファッション誌の編集部員、岸辺みどり池田エライザさん)を

スピンアウトさせて、「もう一つの“舟を編む”」をドラマ化した意図は

まだわからないのですが

概ね、「舟を編む」の辞書作りの大変さや

言葉のひとつひとつを大切に、

しかもクローズアップさせている展開は

原作の大切な部分も保たれていて好感が持てました。

原作では馬締光也野田洋次郎さん:映画では松田龍平さん)と

香具矢美村里江さん:映画では宮崎あおいさん)との

馬締くんの純真無垢な恋愛ストーリーがあるのですが

ドラマではその部分が無くなっていて、

大変残念でしたが

代わりに岸辺みどりの恋愛模様が描かれていて

これはこれで今後のドラマのオリジナルストーリー

見られるのかなと楽しみにしています。

第一話はとにかく意表をつかれたことの驚き

ドラマをどう解釈していいか

整理しながら鑑賞した時間でした。

 



余談ですが (私と「舟を編む」)

余談ですが

舟を編む」は私にとって特別な小説なんです。

社会人になってから、小説はほとんど読んでなくて

本屋大賞のことも、著者三浦しをんさんのことも

その頃は知らなかったのですが、

「舟を編む」のタイトルの意味深でありながら

文学的な魅力を感じたことと

三浦“しをん”さんの珍しい名前にも興味をもったことで

この本を読んだのですが

読後は素直に面白かった!でした。

それからは、三浦しをんさんの小説やエッセイを読むようになり

現代小説の面白さも知って、他書も読み始めるようになりました。

そんな、小説への目覚めのきっかけをくれたのが

「舟を編む」だったのです。

映画も観ました。

もうこの映画も最高で

特に宮崎あおいさんのチャーミングな美しさで魅了され

松田龍平さんのイメージとは真逆の真面目青年が

見事にはまった映画でした。

今も大好きな映画なんです。

なので、このテレビドラマ放送を知った時は

大変嬉しかったですね。

また、馬締くんと香具矢さんに会えるんだなと思って。

少し期待していたドラマ展開ではなかったですが

「もう一つの“舟を編む”」として

第2話が楽しみです。

 



余談ですが 第3話 「水木しげる」について

第2話、第3話と観ましたが

原作や映画を知っている者としては

全くの別ものの「舟を編む」になってしまいましたね。

辞書をつくる工程が同じであることや、

一部原作の要素は登場するものの

オリジナルストーリー70%位のドラマじゃないでしょうか。

ただ、言葉の奥深さや辞書の成り立ち等

今まで知らなかった世界の“知る・学ぶ”といった興味深さは、

このドラマにはありますね。

さて、余談ですが

第3話で登場された原稿執筆者秋野教授(勝村政信さん)

水木しげる」についての執筆要領が長すぎて

問題になるシーンがありましたね。

私も「水木しげる」の生き方にすごく感銘を受けて

著書も幾冊か読み込んだ時期がありました。

秋野教授のように、たった数行で水木しげるを表現することは

無理だなと、私も感じたので

すごく秋野教授の気持ちに同調するように

ドラマを見てしまったのです。

ドラマの脚本家の方は、私のような「水木しげる」ファンが多いと知って

このようなドラマを作ったんだな思いましたね。

見事にはまってしまいました。(笑)

NHKドラマ「ゲゲゲの女房」は向井理さんが水木しげる役を演じ

今回は水木しげるの原稿執筆者と対峙する

これも、水木しげる繋がりで

隠れた面白さ」の脚本配役だったら憎いですよね。

このドラマの面白さは、制作者の隠れた遊びも

見つけることかもしれません。

第4話以降も楽しみです。



余談ですが 松田龍平登場 /「推しが尊い」と「推し、燃ゆ」

第8話観ました。

今回は、松田龍平さんの登場はびっくりしました。

このドラマは、ある意味、こういったアプライズや

隠れたテレビ制作者の遊びが面白いですよね。

前段でも書いていますが、

松田龍平さんは映画版の馬締さん役を演じていました。

ですから、「舟を編む」ファンには驚きのシーンになったわけですね。

あとは、宮崎あおいさんの登場を期待するばかりです。

余談ですが

第7話から「推しが尊い」という言葉が印象に残っています。

この言葉を聞くと、私は「推し、燃ゆ」の小説を思い出します。

まさしく「推しが尊い」主人公あかりの物語で

そのアイドルがいなくなることで

ココロもカラダも落ちていく様が

作家、宇佐見りんさんの独特の言葉で見事に描かれていました。

この小説の中でも「業」という言葉が使われいて

ドラマの中の「業」という言葉と共通することが

益々、「推し、燃ゆ」を思い出させる言葉でもありました。

「推しが尊い」という言葉は、

これからも一般的に使われていくような気がします。

新しい辞書の参考文例で載せてもいいかもしれませんね。

下記は「推し、燃ゆ」の名文と思われたものを

書き出しまとめたブログです。

よかったら覗いてみてください。

『推し、燃ゆ』宇佐見りん著【名文13ヶ所】選んでみました
読後、唸った。 うまい。 何がうまいって、言葉の巧みさや文章表現である。 今回はその言葉、文章のうまさに注目して ランダムに13か所程選んでみました。 作品概要 <作品の内容> 『推し、燃ゆ』は簡単に言ってしまえば、ままならない現実を生きる...

 



最終話 違和感と見事なオチ

最終話、観ました。

コロナ禍という時代背景を取り入れたストーリーなっていましたね。

そういった現代風にアレンジをされているところは

とても好感を持てたのですが

原作と大きく違っていたところ

そう、松本先生(柴田恭兵さん)ががんで入院されますが

最後は元気に生還されているところ。

ハッピーエンドで「めでたしめでたし」だったのですが、

私は原作通り松本先生は「大渡海」の完成を見ず

亡くなっていくという無念のシーンを作ってほしかった。

小説の中の「まにあわなかったよ」という言葉は

悲しさ、悔しさ、無力さ、そういった非情な現実を表す

重要な言葉だと思っていたからです。

ただ、今の時代のドラマとしてはハッピーエンドで

また、明日に向かって皆で進んでいこうのほうが

共感を得られるのかもしれないですね。

原作を知っていていて、「舟を編む」のイメージが

凝り固まっている私のような人は

違和感を覚えてしまうのかもしれません。

最終話で松本先生(柴田恭兵さん)が

なんて(すばらしいんでしょう)という言葉を使われて

岸辺みどり池田エライザさん)が使ていた

(私)なんて、という言葉との対比させたとことは

見事なオチだったなと感心しました。

松本先生が「なんて」という言葉を

辞書で引いてみてください。というセリフ通り

私も久しぶりに辞書を引いてみました。

このドラマは古い辞書を引かせるだけの

影響力があったドラマでしたね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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