2022年7月27日のNHK歴史探偵『岡本太郎と太陽の塔』を観ましました。
佐藤二朗さんの司会で進行する番組ですが
今回の解説は岡本太郎記念館館長の平野暁臣氏が出演されて
岡本太郎と太陽の塔の話が進められて行きました。
【テレビ放送のお知らせ】
— 岡本太郎記念館 (@taro_kinenkan) July 20, 2022
来週のNHK #歴史探偵 にて、
「岡本太郎と太陽の塔」が特集されます!
「#太陽の塔 」の謎に迫る45分間!
どうぞお楽しみに♪
放送日:7/27(水)22:00~22:45 NHK総合https://t.co/BG39RTbg3h
ここでは、テレビで紹介された岡本太郎の言葉やエピソードを
ピックアップしまとめてみました。
「岡本太郎の仕事論」平野暁臣著が参考に
番組終了後、平野暁臣氏の著書を久しぶりに開いてみました。
「岡本太郎の仕事論」(日経プレミアシリーズ、2011年11月初版)です。
当然と言えば当然なのですが
ほとんど、テレビでのエピソードはこの本に書かれていました。
ですから、もう一度この番組のことを
振り返りたいなと思われたらこの本を読まれたらいいと思います。
まさに、この本は番組のガイドブックかもしれません。
岡本太郎の言葉をピックアップ
テレビで印象的だった言葉をピックアップしてみました。
最初に出てきました、岡本太郎は天才でも何でもなく普通の男性ということ。
「岡本太郎」に決意してなろうとしていたという逸話も
本書の最初に書かれていました。
岡本敏子
岡本太郎は決して特別な人間じゃなかった。優しくて、デリケートで神経は鋭いし痛がり屋の、本当は弱虫といった方がいいタチの人だった。ただ決意したのだ。決意を貫いた。決して変えなかった。
みんな“先生は天才だから”だからとか“我々は凡人だから”だからとか言っている。それを聞くたびに、“甘ったれるな!”蹴とばしたくなる。
※このブログに引用されているすべての文章は「岡本太郎の仕事論」平野暁臣著からです。
そして、ベラボーなもの(これが後の太陽の塔)を作ろうと思いつくシーンも書いていました。
岡本太郎
この世界一の大屋根を生かしてやろう。そう思いながらこの模型を見ていると、どうしてもこいつをポカン!と打ち破りたい衝動がむらむらと沸き起こる。優雅におさまっている大屋根の平面に、ベラボーなものを対決させる。
なんだか、読んでるだけでワクワクしてきます。
この無茶ぶりの提案をあっさりOKした丹下健三も大物を感じますよね
工事が終わって丹下と岡本が大屋根での会話
丹下「不思議だね。どうしてこれが、これがこんなによく見えるのかなあ?」
岡本「そうだろ?このスケールだからいいんだ。こうでなきゃダメなんだ」
岡本太郎の大きさがわかる言葉
岡本太郎は仕事に対する考え方して飛び抜けている。
本業?そんなものありませんよ。バカバカしい。もし本職って言うんなら、『人間』ですね。
この言葉が言えるのは、逆に岡本太郎しか言えないですよね。
また、芸術は金持ちや個人の家に飾っておくものではない。
芸術は大衆のものであるべきだという。
太陽のように見返りを求めない、100%の無償無条件であるように。
パブリックアートはいいよ。観たくなったら、そこに行きさえすれば、いつでも誰でもタダで観られるんだからね。
ウイスキーのグラスの底に顔が彫られている「顔のグラス」のエピソードも書いていました。
タダで何が悪いんだ。タダなら誰でも手に入る。家に帰ってこれで一杯やって、嬉しくなる。
それのどこが悪いんだ。
もう器の大きさが違います。
岡本太郎と岡本敏子
テレビでは太陽の塔は一体何を表しているのかという話があり
その際に“カラス”っていうのもありましたが
この本には“カラス”についても書かれていました。
人間は孤独でいても、いつもいつも群に規制される。ところがカラスは生来ノーブルだ。群を放れ1羽になっても、決して惨めにならないのだ。
飼われているのに人に馴れず、孤独にも傷つけられず、やりたいように庭をかきまわしても平然としている。
「カラス」ではない、「自分」だ、というように。
岡本敏子さんが岡本太郎の記録を残していたことも書かれている。
敏子は秘書として仕事の交通整理をするだけではなく、すべての制作現場に立ち会い、編集者だった経験を生かして太郎の著作を次々と送り出した。ノートと鉛筆を肌身離さず持ち歩き、太郎の口から放たれる言葉を一語漏らさず書き留めた。
この敏子さんの記録がテレビでは放送されたんですね。
この方も凄い方でした。
テレビで最後に岡本太郎が残された太陽の塔が
これから何に対峙するのかの質問に『宇宙』だ。
と答える文章は無かったのですが、
こんな言葉が紹介されていました。
世界をこの眼で見抜きたい。眼は宇宙と交信する穴だ。
そしてその言葉通り、己の眼を見開いて世界と対峙していった。
これだけ大きな人は暫くは出てこないように思った。
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