「ニューヨーク」屋敷さんのYouTubeでこの本を知った
この小説を知ったのは
漫才師「ニューヨーク」の屋敷さんのYouTubeのチャンネルだった。
屋敷さんがお薦めの本を紹介している中の1冊でした。
屋敷さんの内容の説明で、
この作家さんはかなり文章力、構成力をお持ちの方かなと
興味を惹かれてしまったのがきっかけでしたね。
初めての作家さんは多く出合いたいので
こういった、自分の感覚にピンとくるきっかけは大事にしています。
彼女はなぜ、死刑囚になったのか――極限の孤独を描き抜いた衝撃の社会派ミステリー
発売日:2017/03/01
引用:新潮社
作品の内容は“真実”を追求するヒューマンミステリー
作品の内容としては
田中幸乃の放火による殺人事件を犯すまでの
過去の恵まれない境遇や複雑な親子関係、イジメ、代理による犯罪、
暴力、孤独、昏睡する持病など経緯を追いながら
彼女のことを幼少から知っている友人等が、
どうしてこのようなことになってしまったかの
彼女の犯罪への疑問を諦めることなく追跡しながら
彼女の再審まで持ち込もうとする物語。
そして、最後はどんでん返しが待っている。
という“真実”を追求するヒューマンミステリー。
<あらすじ>
被告人・田中幸乃は裁判長から極刑を言い渡される。元恋人へのストーカー行為の末に、アパートに火をつけて、元恋人の妊娠中の妻と双子の子3人を焼き殺した事件は、「整形シンデレラ放火事件」とも呼ばれて世間の注目を集めていた。
丹下健生は幸乃の母・ヒカルが中絶のために初めて産院を訪れた時のことや、取り上げた赤ん坊を幸乃と名付けると言っていたことを、義理の姉・倉田陽子や小曾根理子は大好きだった幸乃と過ごした日々を、それぞれ思い返していた。
八田聡は、親友・井上敬介から初めて幸乃を紹介された時のこと、幸乃がストーカーと化してからの敬介の苦悩、そして、もしかしたら自分は幸乃の人生を変えることができたのではという思いがあった。
佐々木慎一は、幸乃の無罪を信じて焦っていた。弁護士となった幼馴染の丹下翔と再会したり、ブログの主・八田聡と会ったり、幸乃に手紙を出したりして事件の真相を追いながらも、判決が下ってからいつ刑が執行されてもおかしくない月日が経っていた。
引用:ウィキペディア
ちなみに、「イノセント」とは“純粋”という意味があると同時に
“無実”という意味もあると、本書には書かれていました。
感想1:この小説の特徴は「執拗」
文章も読みやすかったし、構成もしっかり組まれていたので
引っ張りこまれる感じで読み進めることができました。
この小説の特徴としては「執拗」という言葉が思いつきました。
田中幸乃が「執拗」までに自分は死刑を望むのか。
幼少の仲間の丹下翔や佐々木慎一が彼女の為に「執拗」にこの犯罪に疑問を感じ
それぞれが、違う目的ではあったけれども、追跡していったのか。
八田聡が彼女の事件を「執拗」にブログに書いていたのか。
この小説はある意味、この「執拗」さが読者を惹きつけたのかもしれない。
感想2:伏線の使い方がうまい
もう一つの特徴は
前半の彼女の悪い方へ転がり落ちていった経緯を
うまく伏線として、後半に結びつけていった所だと思う。
特に最後の刑務官の佐渡山とのシーンは
ここで、これを使うか!と思ったほどでした。
こういった伏線をこの小説はうまく使う事で
作品の“分厚さ”を感じさせることになっているなとも感じました。
残念だと思ったことは
これも、最後の事件の真相がわかるどんでん返しのくだり。
この真相では、ちょっと無理があるんではと思ってしまって
リアル感に乏しいなと思ったことでした。
しかし、全体的にはグイグイ読ませる文章力や内容の面白さは
さすがに、日本推理作家協会賞の長編及び連作短編集部門を
受賞した作品だけはあるなと感じましたね。
映像化になっていました
読後には、これは映像化すれば面白いなと思ったのですが
調べてみたらすでに
2018年、WOWOWの連続ドラマWでテレビドラマ化されていました。
今度、機会を見つけて鑑賞したいと思います。
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