伊集院静さんは好きな作家さんの一人ですが
モネも好きな画家なので
この『日傘を差す女』のタイトルから
モネの『散歩、日傘をさす女』が思い出され
内容も印象的だったもので
小説と絵画について、まとめてみました。
『日傘を差す女』文庫になる
『日傘を差す女』は2018年8月に単行本として発売され
2021年7月に文庫本として発売された。
私もこの作品は文庫になってから知った作品で
サスペンス小説というのは
伊集院さんとしては珍しいなと思い読んでみました。
伊集院さんのサスペンス小説としては「星月夜」に続く2作目だそうです。
<作品紹介>
伝説の男はなぜ死んだのか。
快晴のクリスマス、都心のビルの屋上で、胸に銛が刺さった血まみれの老人の遺体が発見された。老人は和歌山県太地町に住む捕鯨船の伝説の砲手と判明。捜査本部は他殺を裏づける証拠を得られぬまま、自殺と結論づけた。
しかし、その直後、酷似した凶器で殺害された遺体が次々と見つかる。
警視庁捜査一課の草刈大毅と立石豊樹のコンビが、赤坂、和歌山、青森で地を這う捜査の果てにつかんだ真相は……出典:文藝春秋BOOKS
サスペンスものなので内容は書けませんが、
サスペンス作品として捉えると、
その推理やトリックの鋭さとかを評価してしまいますが、
そういった精度の高い推理小説というよりは
“松本清張”のようなヒューマンドラマ的な小説内容を
期待して読まれた方が
満足してもらえるんじゃないでしょうか。
やっぱり“伊集院静”の小説ですからね。
モネ『日傘をさす女』
モネ『散歩、日傘をさす女』ワシントン・ナショナル・ギャラリー
このブログに掲載する絵はすべてウィキペディアからの出典です。
この小説の中に、モネの「散歩、日傘をさす女」の絵画が出てきます。
伊集院さんは絵画や美術にも詳しいので、
伊集院静“らしさ”が出てるなと感じたのと
この絵が頭の中にあってこの小説は書かれたなと感じました。
伊集院さんの本の中に『美の旅人ーフランスへ』という画集のような
世界の名画を鑑賞しながら旅をする本があるのですが
文庫(小学館文庫)もあります。
<文庫の説明>
- 〈 書籍の内容 〉
- モネは何を見たのか?フランス印象派を巡る旅文庫
新古典主義アングルとロマン派ドラクロワ。- 常に対比される二人が本当に描きたかったものとは何か?
- このほかに世紀の児とよばれるジェリコー、安堵の画家コローと、来るフランス近代絵画の「印象派」革命前の画家たちの足跡を辿る。
- そして旅はセーヌ河へと続く。
- 印象派の語源ともなった「印象・日の出」を描いたモネ、「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」のルノワール、「ポール・マルリーの洪水」を描き河畔の詩人と呼ばれたシスレーなど、光を求めた「印象派」とは一体何だったのか?
- 作家・伊集院氏の独自の視点でフランス絵画を巡る読んで旅するオールカラー文庫。スペイン編3巻、フランス編全3巻の2巻目です。
引用:小学館
この本の中にモネの『パラソルをさす女』(オルセー美術館)という絵が
紹介されています。
なぜタイトルが『パラソルをさす女』で紹介されているかは
定かではないのですが
(ウィキペディアで調べたところ
フランスでは『左向きの日傘を持つ女』になっていました。
『パラソルをさす女』でネット検索すると
このタイトルで紹介されているHPありましたが。)
色々翻訳の仕方で呼び方は変わるんでしょうかね。
ちなみにオルセー美術館には『右向きの日傘を持つ女』もあります。
「日傘を差す女」は合計3作品ということになります。
追記:『山田五郎 オトナの教養講座』で「日傘を差す女」の解説
『山田五郎 オトナの教養講座』YouTubeで
「日傘を差す女」の解説をされていました。
いや~知らなかったエピソードがたくさんあって
驚きと学びがありました。
参考までに、是非にご覧になってください。
最後に
小説『日傘を差す女』にもこのような女性が登場しますが
名画が好きな方がこのタイトルを見た時には
モネの『散歩、日傘をさす女』を思い浮かべるんじゃないでしょうか。
絵のことも少し知っておくと
この小説を2度愉しむことができそうですね。
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