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『妄想美術館』原田マハ、ヤマザキマリ著|今注目のお二人の対談読んでみた

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アート
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読後の第一印象

この本は、今注目の作家、原田マハさんとヤマザキマリさんとの

美術を通しての対談を一冊の本にまとめたものですが、

原田マハさんをよく知らない方には、

原田マハさんの今までのアートに関する仕事内容や、アート小説著書、印象派を愛する作家さんだとわかる格好の本だと思います。

ヤマザキマリさんについて、私は、いくつかのこれまでの彼女の人生についての本、漫画など

(「地球生まれで旅育ち」「仕事にしばられない生き方」「立ち止まって考える」等

 漫画では「プリニウス」「オリンピック・キュロス」等、「テルマエ・ロマエ」は映画のみ)

は読んだことが有るのですが

美術についての具体的な嗜好については初めて知ったので、新鮮な感じで話を読めた気がする。

逆に、原田マハさんのファンの方には(私もそのひとり)

アート小説や新書等は読んでいらっしゃると思いますので

あまり新しい情報は少ないと思いますが、マリさんとの奥深い知識を愉しめたらと思います。

目次

はじめに 原田マハ

第1章 美術館は快楽の館
Column 1 思い出美術館
2章 終わりなきアートの迷宮
第3章 偏愛するアーティストたち
Column 2 好きな作品ベスト10
第4章 未完の魅力への憧れ
第5章 マニアックな情熱ゾーン
Column 3好きな作家ベスト10
第6章 心ゆさぶるアート空間

あとがき ヤマザキマリ

引用:SBクリエイティブ

前半はやや物足りない内容

第1章の「美術館は快楽の館

第2章の「終わりなきアートの迷宮

を読んでいると、これは美術初心者向きかなと思える内容で

これはあまり得るものがないかなと思っていたのですが

第3章「偏愛するアーティストたち」あたりから、

ヤマザキマリさんが、イタリア・ルネッサンス期の画家の作品を披露し始めたところから

俄然、専門性が高くなってきた。

私は、ルネッサンスやバロック等の知識も絵画もよく知らないし、

どちらかと言うと興味も低いので、このあたりは若干引き気味だったけれど

ヤマザキマリさんの偏愛画家や作品は興味があったので、何とか読み進められました。

あらゆる時代の名画が一堂に会する奇跡の迷宮へようこそ
原田マハ『リボルバー』の創作秘話、ヤマザキマリ『テルマエロマエ』誕生の知られざるエピソードも披露!
マハ&マリの好きな美術館、おすすめ美術館、好きな作家、好きな作品など2人のアートの世界にどっぷり浸れる1冊。
アートを溺愛する作家と漫画家の2人が創る究極の美術館とは? 原体験から現在に至るまでのアートヒストリー、偏愛アーティストたちから受けたインスピレーション、小説や漫画の創作のバックステージをまじえ、名画にまつわる裏話、お気に入りの美術館案内、絵画鑑賞の秘訣、画家たちの知られざるエピソードなど尽きぬアート談義。泉のように湧き上がる2人のファンタジーが炸裂する名画のラビリンスに迷い込んでみませんか?

引用:SBクリエイティブ

原田マハさんとヤマザキマリさんの美術の嗜好

原田マハさんの好きな画家や作品は

ゴッホやモネ、セザンヌ、ゴーギャン、ピカソ等印象派の馴染みのある画家

俵屋宗達「風神雷神」等ご自身の小説になっている名前がほとんどで

全く違和感は無かったのですが

著者・原田マハ

小説家。1962年東京生まれ。関西学院大学文学部日本文学科および早稲田大学第二文学部美術史科卒業。馬里邑美術館、伊藤忠商事を経て、森ビル森美術館設立準備室在籍時、ニューヨーク近代美術館に派遣され同館にて勤務。2005年『カフーを待ちわびて』で日本ラブストーリー大賞を受賞しデビュー。2012年『楽園のカンヴァス』で山本周五郎賞、R-40本屋さん大賞などを受賞、ベストセラーに。2016年『暗幕のゲルニカ』がR-40本屋さん大賞、2017年『リーチ先生』が新田次郎文学賞を受賞。その他の作品に『本日は、お日柄もよく』『ジヴェルニーの食卓』『デトロイト美術館の奇跡』『たゆたえども沈まず』『常設展示室』『風神雷神』など多数。
引用:SBクリエイティブ

ヤマザキマリさんの好きな画家は

アントネロ・ダ・メッシーナの作品(本書にも写真あり)が上位4位まで締め

残りもヤン・ファン・エイク、パウロ・ウッチェロ等馴染みのないイタリアの画家たち。

しかも時代も1400年~1500年にかけての活躍した画家たちですから

もう古典ですよね。

まあ、ただ絵を観ても絵の説明がないと、その良さがよく解らないと思うのですが

なぜ、マリさんはまだ若い頃にこの絵に惹かれたのか、

どういうところに惹かれたのかが、もの凄く興味を持ちました。

ヤマザキマリさんの絵を観た時の直観だけではなく

その画家の時代背景や環境、ストーリー、絵画テクニックなど

当時の様子などを調べてその絵のすばらしさを知ったんだとは思いますが。

ヤマザキマリさんはイタリアで一人画家を目指してかなり苦しかったようですから

見方も違ったんじゃないかなと、勝手に想像しています。

著者・ヤマザキマリ

東京造形大学客員教授。1967年東京生まれ。84年にイタリアに渡り、フィレンツェの国立アカデミア美術学院で美術史・油絵を専攻。2010年『テルマエ・ロマエ』でマンガ大賞 受賞、手塚治虫文化賞短編賞受賞。2015年度芸術選奨文部科学大臣賞受賞。著書に『プリニウス』(新潮社、とり・みきと共著)、『オリンピア・キュクロス』(集英社)、『国境のない生き方』(小学館新書)、『ヴィオラ母さん』(文藝春秋)など。
引用:SBクリエイティブ

中盤より談義は盛り上がる

第4章は「未完の魅力の憧れ」で

レオナルド・ダヴィンチの絵が未完が多いという話になって

第6章でも、また未完の絵を集めた美術館をつくりたいと書いてます。

原田マハさんが特に興味を持っているようでしたが、未完の作品というのは

これから本当はどういった作品になるかを想像できる楽しみがあるからでしょうかね。

第5章「マニアックな情熱ゾーン」では

原田マハさんは小説「風神雷神」にまつわるエピソード、

ヤマザキマリさんは漫画「テルマエ・ロマエ」の逸話やお二人の談義、

知っている方にはぐっと集中して読める章でした。

小説にしても、漫画にしても「妄想」が無ければ書けないですから

そのような、裏話が聞けて読者は楽しいですね。

【本】『風神雷神 Juppiter,Aeolus』原田マハ著|斜めからの感想
原田マハさんの『風神雷神 Juppiter,Aeolus(ユピテル:雷神、 アイオロス:風神)』 読了しましたが “読み物”としては満足できる小説でしたが フィクションが過ぎる感じがして 史実を通してのアート小説を期待していた読者としては ...

最後はテーマの「妄想」

第6章「心ゆさぶるアート空間」では

ヤマザキマリさんの集合体恐怖症がわかったりしました。

(ぶつぶつがいっぱいあるような絵が苦手)

この章は大きなテーマ「妄想」を披露しました。

もしも、地球滅亡の際に、持って行く美術品100点を選ぶとしたら

もしも、部屋に飾る絵を選ぶとしたら

もしも、二人の美術館を創るとしたら

読者も思わず一緒に考えてしまう章だったと思います。

詳しい内容は読書のお楽しみにということで。

お二人ともモランディの絵を部屋に飾りたいとは意外でしたが。

前半は少し物足りなかったですが

後半はそれぞれの持ち味が発揮できて楽しく読書できました。

お二人にご興味ある方にはご一読を。

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