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『谷崎マンガ』谷崎潤一郎原作を漫画化|ざっくり知りたい人へおすすめ

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谷崎潤一郎の小説は「痴人の愛」等を遠い昔に読んだことが有るような無いような。。

それ位の記憶なので、知らないと言った方がいいかもしれない。

ただ、谷崎潤一郎のことは凄く興味があって

文豪ナビ』のようなざっくり紹介本や

文豪春秋』等ドリヤス工場著の文豪の作品紹介の本等は読んで

それとなく、知っているようなフリだけはしているのだが。

そこで、もう一度初心者に戻って『谷崎マンガ』を読んでみることにした。

作品概要

出典:「谷崎マンガ」中公文庫

  ※このブログのイラスト等は「谷崎マンガ」から出典しています。

文豪にして、大変態――『痴人の愛』から『陰影礼讃』まで、11人の天才がマンガで読み解く谷崎潤一郎の美しき文学傑作選。奇跡のコラボレーションは名作、珍作、問題作が目白押し!?
文庫特別付録に【対談】山口晃×近藤聡乃、【インタビュー】古屋兎丸/中村明日美子、【裏話マンガ】榎本俊二など。
(『谷崎万華鏡』より改題)

山口晃「台所太平記」
しりあがり寿「谷崎潤一郎『瘋癲老人日記』×ヘミングウェイ『老人と海』REMIX」
高野文子「陰翳礼讃」
古屋兎丸「少年」
中村明日美子「続続蘿洞先生」
近藤聡乃「夢の浮橋」
西村ツチカ「猿が人間になった話」
榎本俊二「青塚氏の話」
今日マチ子「痴人の愛」
山田参助「飈風」
久世番子「谷崎ガールズ」

引用:Amazon

作品ピックアップ

そんな手取りばやく知識を得ようと

この漫画も読んでみたんだけど

谷崎の作品って性的な変態性(マゾ、フェチ等)も作品も多いけど

じんわり味わえる文学作品もあることも知りましたね。

漫画家さんも原作に忠実なマンガもあったり、そうでないマンガがあったりと

谷崎の作品と同じように幅が広いなと感じました。

「痴人の愛」今日マチ子

痴人の愛」は、谷崎の作品のなかでも有名な作品なんだけど

内容的には覚えていなくて、この漫画を通して何となく思い出しました。

この漫画では、現代風の美少女が可愛さだけが取り柄で

中身が無くて、空洞化した自分をチョコレートに置き換えて表現していたり

物語に入って行きやすかった。

また、簡略化されたサラリーマンのオジサンがこの少女ナオミを束縛しようとするが

逆にナオミに隷属化されていき、そこに喜びを感じるという

谷崎の変態性を滲ませていて

こちらも原作を損なっていなかったんじゃないだろうか。

「陰翳礼讃」高野文子

高野文子の「陰翳礼讃」は、タイトルは知っていたんだけど

まさか、トイレの話(エッセイ)だとは知らなかった。

谷崎の文章をそのまま抜粋しながらコンパクトにまとめていました。

日本の厠」のどこか薄暗いけれど、清潔で

この個室の中には宇宙がある。ような

そんな、文学的な内容でした。

谷崎は性的なクセのあるアダルト文学だけでなく

こういった情緒を醸し出した作品もあることに

少々安心しましたね。「」の話だけどね。

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「青塚氏の話」榎本俊二

この話は、タイトル「青塚氏の話」からするとごく普通の青塚さんっていう人の話で

あまり読む気持ちにはなれないんだけど

実際読んでみると、これがまた強烈で

谷崎の変態性の本質が炸裂している作品でした。

好きな女優のすべてを自らが作って溺愛し、性欲を満たすという話

(昔、吉永小百合さんの猛烈な追っかけ(今でいうストーカー)が

あまりにも好きすぎて、同じようなことをしていた人を思い出しましたね。)

榎本さんの後書きにも「青塚氏の話の話」というエピソード漫画が描かれていて

谷崎潤一郎を“TJ”と呼ぶなど、榎本さんの漫画家としての面白さを感じました。

「台所太平記」山口晃

この物語は、あるお屋敷のお手伝い(女中)さんの代々の人柄話なんだけど

ここでは、あまり性的な描写はなくて

ここの主(らい吉)の足の裏を踏んでもらう部分ぐらいで

ほとんどが、橋田寿賀子のドラマを思い出すようなストーリーでした。

わたし、山口晃さんって画家さんだと思ってたんですが

漫画家さんでもあったことに驚きました。

「瘋癲老人日記」しりあがり寿

この作品は、ヘミングウェイの「老人と海」とが合体したような漫画で

原作は知らないので、漫画だけを愉しんだ格好となりました。

とにかくぶっ飛んでましたね。

なにか暴走老人のイメージしか残っていません。

原作はどんな感じなんでしょうかね。

わかったことは、じいさんは女性に踏まれることが喜びだったことでしょうか(笑)



もう一つの読みどころ

『谷崎マンガ』は11人の漫画家さん達の漫画がもちろんメインではありますが

それ以外にも読みどころがあります。

それは、各漫画に入る前に、その漫画や谷崎に関する豆知識が書かれていることです。

文字数としてはそれ程多くありませんが、大切な出来事やエピソードが多く

谷崎を知る上ではが重要な情報が書かれています。

例えば

小説の性的な嗜好でもわかるように、ご本人も大変達者で

数々の大胆なアプローチをかけられた女性遍歴

小説の内容が過激すぎて、連載が検閲によりストップしたり、雑誌の発禁になったりと。

また、「夢の浮橋」のネタが京都下鴨の邸で、

現在の「石村邸」である事など

それで「夢の浮橋」漫画の解説キャッチが「糺さん、お乳吸いたいか」なんだと思ったり。

(下鴨神社の周りの森が「糺の森」なんです)

知らなかった豆情報がたくさんありました。(蘊蓄になります)

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作者のあとがき

作者のあとがきも面白かった。

たいていの漫画家さんは谷崎の小説をあまり読んでいなくて

この漫画で知ったような方が多かったが

一番、谷崎の小説を言い表せていたのが

久世番子さんのあとがきでした。

豪奢な着物に身を包む女と、腋毛をそらせる女。

贅沢な京料理を食べる女と下痢に苦しむ女。

その両方とも同じ熱量でもって書く

谷崎せんせいが好きです。

引用:「谷崎マンガ」中公文庫

他の漫画家さんたちのあとがきも読んだ後で

もう一度、漫画を読み返してみると

また、深く愉しむことができました。

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